実地試験と言う名の「引っ越しの手伝い」をただただ、意味を考えず遂行するしかないという状況にとまどっていた。
なぜなら私Nのここまでの人生は、自分が選択してきたことをしてきた人生だったから。
つまり「自分が主役」の人生だったわけだ
がしかし、使える「奉公する」ということは「脇役の中の一番下」になることなのである
24歳の私にはこの理解をする頭脳もなく、分析する方程式もなく、、、ただただ、、、「なんでこんんなことしてるんだ、、」という不満だけがつのっていっていた
この若さではこの不満の「消化と理解」は普通難しく、だいたいの就職した新入社員がやめていく原因はここにある
自分を使う「支配者」の脇役が社会人1年生の役割なのを理解できない
いままでは友人や親など、、自分を理解してくれている人の中だけで生きてきた、いいたいことも言えていた、そんな人間において「絶対的支配者への服従こそが仕事」は違和感を超えた脅威でしかない。
ホーミーのシフトギアをチェンジしながら、、なれない都内の道を、、間違えてはまわり、間違えてはまわり、、、まだカーナビなどない時代に、、毎日知らない場所をはしりながら、、、「自分にはもう、、この世界しか興味はないのだからしかたがない、、音楽のない仕事はしない、、」と不安の中から「人生片道切符だ、好きな世界に入るんだ」という覚悟のようなものがめばえはじめていた。「不本意な職で続くわけがない、この世界しか俺がいく世界はないんだ!」
こう気持ちをきりかえれたのも、「音楽」という柱が私Nにあったからだ
高校受験で失敗したときも、、偏差値が自分の実力より20以上下の高校に通いながら,、グレて悪い集団にはいらなかったのも、「ギターと音楽」という柱があったからだ
私Nは15歳から24歳まで「ギターと音楽」しかない人生だった
「もし落ちても、、、、バイトさせてください!」と言おう、、まず一歩はなにがなんでもこの会社、、この世界にげそをつけようと決めた、、、
この時から2年ぐらいの間、私Nは不安ややなことががあると「修行、修行、、」というようにした
中野にある「救世軍男子奉仕センター」(当時こうかいてあった)をようやくみつけ、、奥まで行くと倉庫のようなところの前に人をようやく発見した
私N「すいません!衣類をもってきたんですが、、」とその見つけた男の人にいうと
男「ああ、、そのへんにおいといてください、、」と倉庫の入り口を指さしてまたなかに消えていった
さぞかし「すいませんね」とか「ありがとうございます」とかいうのかとおもいきや
めんどくさそうな対応にボランティアセンターで働くひと、、奉仕するひとへの疑念がわいた
「ホントにやりたくてやってないだろ、、、あれは」
今の自分の境遇にかぶせて考えてみた
私Nはこの世界にはいり、、、修行をして、、スターをつくるのをゴールとする
やることのゴール、、旗印が現時点でもあり、、「スター」と「ヒット」づくりをゴールとするのは「プロダクション」か「レコード会社」が中心である
そこの試験中だ、、、うん、、、、方向はまちがってない、、、
しかしボランティア活動とは、、、ゴールが漠然としているのでないか、、そもそも奉仕というゴールでの自らの満足感があの人からはみられない
生産活動と奉仕活動はもちろん質がちがうが、、「自らの満足」という心の充足がえられていないのであればどんな活動も「続きはしない」ということを確信した
これは今後の自分の人生の基軸となる「大切な気づき」をこの奉仕センターでみつけることができた
「自分がやりたいことがある場所をめざすことの大切さ」
「私はこれをやりたい」がたいせつなのだ、、お金の有無より
まず修行するなら「ゴールのやりたいことが学べるか」だとおもった
ここを2往復して、衣類をおろし、事務所に帰ると社長がいたので、、
「衣類を救世軍に届け終わりました!」と完了の報告をした
すると
社長「どうだった?」
私N「どうともうしますと、、救世軍の感想ですか?」ときくと
社長「いや、、ちがうわよ、、きょうの作業、仕事をしてみて」
私N「ああ、、、させて頂いた1日の感想ですね、、、いや芸能プロの創業者のご実家はさすがに立派だな、、と」
社長「ははは、、、それで?」
私N「救世軍の対応した男の方が、、たまたまかもしれないですが、、あまりやりたくなさそうにしていた感じがしまして、、自分は活動するには自分のはっきりした目標の旗が必要なんじゃないか、、やりたいことの明確性が、、必要なんだと思いました、、」と言うと
社長は笑っていた顔をもどして
社長「それはいいところに気づいたかもね、、、この仕事は特にそういう仕事だから、、、うん、今日はもう帰っていいわ、、明日は事務所のことをやってもらうから、、おつかれさま」
私N「ありがとうございました。明日もよろしくお願いします。失礼します」
特に用意したわけでもなく自分の気づいたことを言っただけだが、、、はじめて社長は私Nの言葉に同調したのを感じた。
実地試験の3日目にようやくつかんだ気がした
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