まず、前回の㉑では小規模プロダクションのミニマム構造の話。今回は芸能プロにおける社長の存在の話になる。
この1996時代はまだ芸能プロの社長の多くは初代が多かった時代だが老舗プロダクションである会社は2代目になっていた。このプロダクションも老舗で、この社長で2代目だった。
バイト先にも社長なる存在はあったことがあるが、いわゆる「会社の社長」と長い時間接してきた経験はなかった
社長が出社をすると、、まず前回も書いたとうりすごいスピードで事務仕事をかたずける、、つづいてかける電話を処理していく。
今回はここからが、、ポイントだ
この日、社長のデスクに一人の社員がよばれた、
私Nはすこしはなれた場所でファンクラブの郵送封筒の雑務をしながら、なにげにその社員と社長の会話に聞き耳をたてていた
社長「この前も言ったけど、これでは高すぎるの」
社員「はい、、そう、言ってはみたんですけど、、」
どうやら何かの値段をさげろということらしい、、、
社長「これでは、前とかわらないじゃない、、最低でも、、最初の金額の6割までに出来なきゃ、、利益なんてのこらないでしょ、、」
社員「6割にですか、、、話はしてみますが、、、ちょっと難しいかもしれません」
社長「難しいことをできないなら、、コンサートプロデューサーはできないのよ!」
社員「しかし、、、」
と社員が言葉を発しようとしたその瞬間!
社長「私の言う事がきけないならやめなさい!」
ときついとどめの言葉がとびだした!
この言葉のあと事務所はシーンと静まり返った
この瞬間芸能プロの神髄「社長と言う名の国王」絶対的な存在を初めて体感したのだ!
これは対話や話し合いではない
君主の言葉どうりにしなさい!
そもそもが主張の余地はない
私Nの人生では「辞めなさい!」という言葉自体あまり世の中的ではなかった
この話が終わって十分もしないうちにお客様がきた
社長「Nくん!お客様にコーヒーを!」
私N「はい!」
お茶くみはパチプロの兄貴分の3年のお茶くみでなれていた、お茶は横から出す、、出す前に「失礼します」と必ずひとこという、最低のルールは押さえていた
その姿を社長はみていた(これも実地試験である)
お茶をだまっておかないというルールがある。あいての間合いに入るそのための「失礼をする」という言葉である
普通の学生はしてこない修行も初めて役にたった
そして、またお客様とのやりとりに雑務をしながら聞き耳をたてはじめた
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