最終日はこれというオーダーはなかったのでいままで4日、いや最初の2日間がつらく、この日は最終日という開き直りもあり、わりと時間が経つのがはやかったのを覚えている
ホテルでの打ち合わせを終えた社長をのせて、再び事務所へ向かい車を走らせる。もう午後三時、、実地試験の終わりまであと2時間足らず
ミスなくこのまま終わることに集中した。
事務所にもどり、、ファンクラブの会報の封筒詰めを手伝っているうちに終了の5時が近づいていた。
私Nは「5日間お世話になったお礼と、落ちてもバイトでもいいからやらせてください」といって帰るつもりで言葉を用意していた。そして合否がおくられてくるのを待つものだ。と思っていた
しかし、実地試験の結果は意外な展開でしらされることとなる
5時前に
社長は私をデスクに呼んだ
社長「Nくん、こっちにきて!」
私N「はい!」と返事し社長のですくの前にたった
いまでもその光景はおぼえていて
社長もデスク前に立っていて、私と目をあわさず切り出した
社長「あなたさえ良ければ、、、ここで働いてもらおうとおもうけど、、、」
と唐突にきりだしたのだ!
私N「えっ?合格ということですか?」ときくと
はじめて私Nをみて
社長「そうです、、合格だね、、」と笑いながらいったのだ
私N「ありがとうございます、頑張りますので宜しくお願い致します!」と即答した
この瞬間私の人生の新たな扉が開いた、、だけでなく
あとで聞いた話だが受けに来た人のなかには、、有名私立六大学の学生も何人もいたそうだ
バンドマンくずれの4流大学生がコネとはいえ、第二次ベビーブームの就職戦線で有名私立六大学に勝利した瞬間でもあった
運命とは、ほんの一瞬で大きく変わってしまう、、リスクとチャンスの繰り返しである
ただ、チャンスは少なく、、リスクや落とし穴のほうが圧倒的に多い
一度落とし穴に落ちれば、うまく這い上がれないこともある
「まず努力、その化学反応として運の力学が動き出す」
「ありとあらゆる手を尽くせ」
努力なく、チャンスはほとんどない もがくことの大切さ、ダメを打ち消し、いかに、、どこまでファイティングポーズを取り続けることができるか、、自分を自分で暗示にかける執念など、ありとあらゆるエネルギーを学んだ
人生は一度きり
どうせと思うなら「心のままに」動くべきだ
この精神は53歳になった今もかわらない
この勝利で私Nは芸能界の中心に一気に入り学ぶことができた
ここで拾ってもらえなければ、ここまで、思い出と,刺激、と密度の濃い人生は送れなかったと思う
社長には感謝しかない
7年この会社に勤め、5年3か月は看板タレントさんに付かせていただき社長の横で仕事をさせて頂いた。
いつも社長からお言葉をたくさんいただいた
いまでもその一言一言は私Nの宝物である
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