協会同士での「協議的移籍」なんてあるのかよ!と疑問に思うかたもいるかもしれません、これは私がいた協会のプロダクション時代に実際に起こった具体例を記録として残します
今から22年前ぐらい、15歳でスカウトされて事務所に入り、歌やダンスがすき、、だけどデビューはグラビアという女の子がいました、仮に「当社の新人」とします。4年ほどして18歳ぐらいになり、ヴォイストレーニングなどしてうまくなったということもあり、あるレコード会社のオーディションをうけることになりました
このオーディションは通常は事務所に入ってない人を対象にしているのですが、社長のねじ込み(笑)でまぜてもらったのです
話はここからはじまります
当然オーディションのビデオテープは各セクションのディレクターやプロデューサーの目にふれます
あるプロデューサーが
あるA社という多数の女優やアーティストのいる「大手A」社さんとがっつり組んで仕事している方が
みんな事務所がついてない人ばかりなのでと一応ご覧になりますか?と「大手A」社にそのテープを渡しました
そうしたら、、、「当社の新人」に目をつけたのです!
蓋をあけたら「プロダクション所属」としり、一度は悩んだみたいですが、、、どうしても欲しいとおもったのでしょう、、、
「大手Aの社長」じきじきに協会加盟社同士の「協議的移籍」の話を持ち掛けてきたのです
※前に話しましたが、協会では引き抜き禁止とされています
私Nは社長を都内のホテルに送り、車の中で待ちました、、、2,3時間じっくりはなしはされて
戻ってくると社長は「どうしても(当社の新人)をほしいんだって、、、かなりのお金をかけて売り出すといってるので、、、いちど親と本人いれて話をしなきゃね、、、」
とさみしそうに言ったのです
「大手A社がお金をかけて1押しとして売り出す!」とまでいうからには
「億プロジェクト」です、、、一躍ときの歌手になる!エリートコースのレールがひらかれたことになります
世に歌姫として羽ばたくチャンスの話なのです
そんな条件を歌手や親がことわるわけがありません、、、、
問題は協議の「内容」つまり「条件」です
曲りなりにも、15歳からスカウトして、高校も芸能コースにいれて、学費もだして、給与も支払い、レッスンもさせ、とお金は4年間かけてきています
事務所としては「はいどうぞ!」というわけにもいかないのです
ここからは、直接担当でないので親子面談の内容はわかりませんが、結局、結論的には
4年目の当社の「新人」は「大手A社」に移籍していくことになりました
もちろん、社長含めスタッフも本意ではありませんが、本人の羽ばたくチャンスを踏みにじるわけにはいかないという断腸の思いで協議的移籍の合意にいたったことは言うまでもありません
どのような条件でかを次回書きます
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