目指すは「講演成功」と「本人のプライド死守」を掲げたはいいが、まずは目先の二つ目の難所、「ホームを渡り、足のことを目立たないようにワゴンに乗り込む」
を目指す!
御歳70歳ぐらいとはいえそんなに軽くないYさん。荷物をもちながらホームの階段は不可能と判断するほど、左足はちからが入らず、おんぶは危険、もう一人現地スタッフのAさんを味方につけて左右でかつぐことに
初めの見栄えは「流れ弾に撃たれた兵士」か「KOされた直後のボクサー」をイメージしていただければわかりやすいだろう、、、
しかし、歩き出して階段にさしかかるとYさんは「Nくん、、、これじゃふらふらしてあぶない、、自分でのぼれるよ!」
と言い
「えっ?どうやるんですか?というと」
Yさんは左の手すりを両腕で掴み、綱を引くように力をいれて、動く右足で1段1段登るというのだ、
私N「わかりました、ではうしろで支えます」
と後ろにまわったその光景は「登山の命綱を持ちながら急斜面を登る登山者」さながらの光景だが、
確かに、こちらの方がふらふらせず、態勢的には、滑り落ちることはなさそうだ(腕の力は普通にある、)
協力者Aさんには「Aさん大乗そうです、ありがとうございました!、先に行って、Yは一息ついてて、すぐくるからと待ってるクライアントさんに伝えてください、それとマッサージ手配だけい急ぎ、当たりをつけてください!」と伝え、
とあとは2人で協力しながら、階段をのぼり、降りるのはだいぶスムーズに行ったと記憶しています
改札をでて、いざ昭和の大物俳優の華麗なる登場!と言いたいところですが
Yさんは私Nの肩にもたれ、担がれ、びっこをひくような形で登場!あまりここは詳しくかけませんね、、名誉のため
待っていた5人の関係者(主催者側のクライアント)は目をまるくして一瞬ポカンとし、「大丈夫ですかー!」と駆け寄ってきた
しかたない「完全に流れ弾に撃たれた兵士」にしか見えないのだから
Yさん「いやー長旅で足がちょっとしびれてしまって、、、大丈夫ですよ、、今日はよろしく!」
と段取りどうり挨拶も一言にして、急ぎワゴンに乗り込めた、、(かなりのクライアントさんの驚きで、変な噂など、ネットにかかれなきゃいいな、、、と思った)
関係者はざわついたのはまちがいない、、、こればかりはどうしようもない、、、隠しきれないこともある
ワゴンに乗り込むと先ほどのAさんは「ホテルにきいたところ、、マッサージさんはすぐにはいないのですが、、カイロプラクティックの整体師さんなら1時間ぐらいで呼べるそうです、、」
不幸中の幸い!
私N「すぐにホテルに来てもらってください、、お願いします!Yさんラッキーです!整体師さんおさえられました!あとAさん近くに薬局ありますか、、タイガーバームとかあれば、、買いたいです」
Y「あんまじゃないのか、、、まあ、、整体師でもいいだろ、、、ありがと」といっていたが、藁をもすがる気持ちだろう、、、
ホテルについてまずYさんを部屋でやすませる、、カイロプラクティックで動くようにしてもらい、そこまでくれば、あとは本番だけだ
私N「Yさん、部屋で浴衣にきがえてお待ちください、整体師さんあと30分できてくれます、何かあれば私の携帯ならしてください、ロビーでスタッフと打合せしてます、なにか本番前にたべますか?会場の袖の楽屋にサンドイッチは入れてもらってますが、、」
Yさん「んー、いや、いいよ、そのかわり、終わったら、、うまいさしみとか外でくえないかな、、、」
私N「外で、、店でですか?」
Yさん「ああ、、、せっかくこんな遠くまできたからな、、、」
私N「わ、わかりました、、ちょっとあたります、、」
この期におよんで「うまいさしみ」か、、、まぁ「自分の事は棚に上げて好きなことをしたい」が有名芸能人の常識的思考回路なのである、、、普通の人にはこれはあまり理解できない、、、
お腹の調子がわるくても、、、「アイスクリーム今すぐもってきて」とかそういう」女優やアイドルは多い、、、
そして、ロビーの打ち合わせでどうしてもスタッフに言わなければいけないことは「Yさんのプライドの死守」である、、、、また3つ目の難所なのだ、、、
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