ほっと一息ついて、トイレにいって袖に再びもどろうとすると、スタッフのAさんが私Nを呼んだ
Aさん「Nさん!すみません!」
N「さきほどはすみません、、、ヒヤヒヤさせてしまって、、、、」
Aさん「ええ、、座っていただけてよかったです、、、いえ、実はそのことではなくて、、お刺身がたべれる居酒屋さんの話なのですが、、、ほとんどこの辺のおみせは8時過ぎには閉まってしまうので、、講演が終わる時間にやってる店がないんです、、、」
私N「8時すぎで、、みんな閉店なんですか?ずいぶんはやいですね、、、」
Aさん「どうしましょう、、、ホテルにお弁当とかご用意しましょうか、、、」
講演は6時45分からはじまり、90分の予定だが、、、おそらく8時半ぐらいにはなってしまう、、
私N「Aさん、私にお店と交渉させてください、、、こじんまりしたお店で近場の店がいいのですが、、電話番号教えてください」と1軒の店の番号をもらい携帯からかけた
私N「あ、すいません、先ほど○○会社のかたから営業時間と予約の問い合わせの電話があったと思うのですが、、、実は私今日今○○会館で講演会してるY1マネージャーの○○と申します、、お店が8時
過ぎに閉店とはうかがったのですが、、、Yが30分だけさしみが食べたいといってまして、、、10枚ぐらいならサインも書かせます、、、決して長居はしないし、お酒ものまないので、、、9時までお店
を開けていただけませんでしょうか、、、ええ、、ええ、、、そうですか、、ほんとに申し訳ありません、、ありがとうございます、、、こちらを出るときに1本ごれんらくのお電話いたします、、、ええ、簡単な刺身を3皿だけでけっこうです、、、はい、、はい、、ありがとうございます」
Aさん「OKだったんですか?」
私N「ええ、サイン10枚とお礼をすこし包みますから、、長居はいたしません、9時まで開けておいてもらえました、、、講演終わりでワゴンつけてください、、、ドライバーさんにお店の場所お伝えください、、お願いします」
と言って、舞台袖へまた、戻った
座っていても、話は大盛り上がり、、、さすが昭和の大物俳優、、、
お客様から笑い声がとぎれない、、、素晴らしい講演となっていた、、、目指していた「講演成功」はあと少しで完成しようとしていた
当初の8時終了を15分過ぎたころに、スタッフAさんから私に「そろそろ終了の時間、、」のサインがきた
袖から客席ヨコでYさんに見えるように「時間です!」とサインを送った
Yさんも「わかった」と右手を挙げた
ので安心したが、、、、、それから5分、、、10分,、、、たてどいっこうに終わる気配はない、、、、
またAさんから「そろそろ、、」と言われ
今度はまた前で、私が誤る形で「お願いします」とゼスチャーしたら
ようやくYさんも「いや、、うちのが、、、さっきから、、、はやく終われとずっといってるんで、、、、私はまだまだ話足りないんですがね、、、」
とようやくしめにかかったので、、、司会進行の女性に「話おわりで、、しめてください!」
と伝え
司会進行「Yさん、長時間ありがとうございました、、、皆様今一度大きな拍手で、、、」とカットインしてもらい
なんとか、、、強引に、、、終わることができた、、、袖で拍手しながら、、、Yさんを迎え、、
Yさん「おつかれさまでした、、、素晴らしかったです、、食事処ですが、、、8時までのお店さんが、、、、こちらのわがままで9時まで、、、開けてもらってYさんをお待ちです、、、まいりましょう!」と
足元をマグライト(ステージ用懐中電灯)で照らしながら、ワゴンまでの導線をなんとか歩き、ワゴンに乗り込んだ、、
会場から多くのお客様が出てきてるタイミングでみな手を振ってくれた、、
私Nはこの時いつも思うのだ、、、芸能人、、そして有名人はなんて素敵な仕事なんだろう、、、と思う瞬間、それは
「大勢のファンに手を振ってもらえる時」だと毎回思うのである。もちろん
国民的なスターになる人間はテレビに出ている人のなかでも一握りの成功者だけだ、、、
このYさんと言う有名人は間違いなくその「一握りの成功者」なのである。。。
もっと、たくさん講演をできると、、多くのひとを喜ばすことができるのに、、病気の残念さを思いしらされた、、、
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