夜中に電話がなることもなく、あさ8時半に起きて朝食を食べに食堂にいった、、見まわしたがYさんの姿はなかったので、、まず自分で朝食をすませ、、九時過ぎに部屋から一度、Yさんの部屋に内線をいれてみた
Yさんは出た
私N「Nです!おはようございます、、私いま朝食すませたのですが、、、Yさんお済ですか?、、」ときくと
Y「いや、、まだたべてない、、、」
私N「ビュッフェなので、トレーにすこしよそって部屋におもちします、、、ローカル線だとお弁当もまわってこないので、、、」というと
Yさん「そうか、、、また、、、あの(狭い)電車だもんな、、、わるい、、、適当にもってきてくれ!」
私N「わかりました」
ともう一度食堂にむかって、、簡単な、、パンとバター、スクランブルエッグなど、、こぼしても大丈夫なモノをチョイスしてトレーにのせ、部屋にいった
トントン(ノック)「Nです!お持ちしました!おけてもいいですか?」
Yさん「おー!」と一言
ガチャとあけるとベッドにいてテレビがついていた
テレビ横のテーブルにトレーを置き、、
私N「あと1時間で出発です!10分前に荷物とこのトレーを拾いにきますので、、、」
yさん「わるいな、、、ありがと」
と特に調子が悪いわけではなさそうだ
トントン(ノック)私N「Yさん!10分前です!入ってよろしいですか?」
入るとズボンをはいているときで、、タイミングはわるかった、、、が怒ることもなかった
トレーを食堂に持っていき、すべての荷物をワゴンにのせ、部屋にもどると、、もうドアから出てきたところだった、、ホテルまではAさんが見送りにきてくれたが
駅にはきたときと違いワゴンのドライバーさんしかいない、、、まあ、、そんなもんだ、、、
帰りも、近鉄特急はのぼり方面ということもあり、来た時よりこんでいたが、、同じ時間だが帰りは早く感じるのはなぜだろうか、、、
名古屋駅につくと、、名古屋からの新幹線が1本早いものがホームについていて、、
Yさん「Nくん、のっちゃおうよ、、はやいのに、、、」という
私N「とりあえず、、Yさんのっちゃってください、、いまから乗車変更、、チケット替えれるか、、、ちょっと窓口にはしります!」と一目散にみどりの窓口に走った、、、
自由席でもどこでもいいなら飛び乗ればいいが、、、グリーンとなると必ず空席がある、、というわけにはいかない、、
最悪Yさんの席だけでもグリーンを確保しないと
あとあと「その席私のです」とかいってどかされ、、、もめるにきまってるからだ、、
あと5分というところでなんとかグリーンに変更、、、はしりに走って階段をあがるとなんと
Yさんは半分体を降車口からだし、足でドアを抑える態勢で手を振っていてくれた、Yさんを確認したころ発車ベルがなりだし、、、なんとか滑り込み、、、セーフでのれた
当時Nは喫煙者でそうとうぜーぜーいっていたら、、、
Yさんはその姿をみて笑っていた、、
私N「Yさん、、体まではさんで待ってていただいてありがとうございました、、、なんかお腹すきましたね、、ワゴンのお弁当でもたべますか?」といったら
Yさん「そうだな、、、朝くわなかったからな、、」
ワゴンで弁当を買い2人でたべはじめると、、、Yさんが急にぽつりと独り言のように言った、、、
Yさん「Nくん、、、芸能人なんて、、使い捨てだよ、、」と言ったのだった
私N「えっ?」
Yさん「芸能人なんて、、使い捨てだよ、、使い捨て、、」
と言ってまた弁当と黙々とたべだしたのだ
私は講演会もうまくいったし、、また講演よろしく!とでもそんな話がでると思っていて
全く真逆の言葉に、、なんにも返事をすることができなかった、、、、
それから東京駅までは、、ほとんど会話はなかったと記憶している、、
それから半年ほどして、、「役者業」をやりたい、、というYさんの希望もあり、、Yさんは別の事務所に移籍していった、、、、
そして、それから何年も経ち、Yさんのことは芸能界的に全くと言い程噂をきかなくなった、、、、
そんなある日の朝、、、、朝までの生放送のラジオの現場で、スポーツ紙の見出しに
「Yさんの訃報」のニュースが掲載されたのだった、、、、
驚いたが、、、あの時の言葉「芸能人なんて使い捨て」をふと思い出したのだ、、、、
その時、私は、そのことばに、自分の意見をはっきりといえる言葉を持っていた、、、、
私N「Yさん、違いますよ! 人間みんな使い捨てなんですよ、、、でも、Yさんは日本全国知らない人はいない特別な昭和のスターさんです、、、人間みな使い捨てです、、、でもYさんの人生は1流の人生です!最高の人生です」
人間は役割を終えれば死に、みなそれは使い捨てに等しい、芸能人だけではない、サラリーマンだって、どんな仕事も引退はある、、、その中でもその国のほぼ全員が知る有名芸能人になれた人生が1流でないわけがないのである
「Yさん、あなたは1流の芸能人という自分の使い方を今生まっとうしたのだから、、良い人生にまちがいありません」
あの時はお返事できなかったが、今はっきり、言わせていただきます、、、、、
紙面には銀幕スター時代の写真が数多く掲載されていた、、、、、、
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